第15章

貴族の権力削減計画は、二年という長い準備期間を経て、大法官となったアレクサンダーの協力もあり、すべては順調に進むはずだった。

しかし、運命とは常に人の思惑を嘲笑うものらしい。

「お父様が、ご昏睡状態に……」

私は薔薇城の窓辺に座り、無意識に指で窓枠をなぞっていた。その凶報が届いた時、私はちょうど貴族たちの権力を削ぐための法案の最終稿を整理しているところだった。国王アーセーが狩りの最中に突如落馬し、意識不明に陥ったという知らせは、まるで乾いた雷鳴のように、私たちの全ての計画を根底から打ち砕いた。

母上であるヴィクトリア妃は、すぐさま国王の看病に向かい、同時に第三王子リチャードを...

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